GビズIDのプライム・メンバー・エントリーの違いと使い分け【補助金申請にはどれが必要か】

GビズIDのプライム・メンバー・エントリーの違いと使い分け【補助金申請にはどれが必要か】

この記事からわかること

  • GビズIDはプライム・メンバー・エントリーの3種類で、権限と取得方法が異なる
  • 補助金の電子申請で使えるのは原則プライム。エントリーでは申請画面に進めないことが多い
  • メンバーは従業員用アカウントで、プライム管理者が使えるサービスを個別に許可する必要がある
  • エントリーは即時発行だが、後からプライムへ切り替える手続きが必要になる
  • 誰の名義で取るかを間違えると取り直しになるため、着手前に決めておく

補助金の電子申請を進めようとすると、最初に必要になるのがGビズIDです。ところがGビズIDには3つの種類があり、どれを取ればよいのかがわかりにくく、間違えた種類を取ってしまって取り直しになるケースが少なくありません。

特に多いのが、「すぐ発行できるから」とエントリーを取得したものの、いざ補助金の申請画面に進もうとしたら使えなかった、というパターンです。プライムの取得には審査期間がかかるため、締切間際にこれが起きると申請そのものを見送ることになります。

本記事では、3種類の違いと、製造業が補助金申請で実際に使うときの選び方を整理します。

GビズIDの3種類の違い

GビズIDは、1つのIDで複数の行政サービスにログインできる、デジタル庁が運営する認証の仕組みです。次の3種類があります。

種類取得できる人審査補助金申請での利用
プライム法人代表者・個人事業主本人あり使える(標準)
メンバープライム管理者が発行する従業員用プライム側で発行権限を付与すれば使える
エントリー法人・個人事業主なし(即時発行)使えない補助金がほとんど

重要なのは、この3つは上下関係のある「グレード」ではなく、役割が違うという点です。エントリーを育てるとプライムになるわけではありません。

プライム:補助金申請の標準

補助金の電子申請で前提になるのがプライムです。法人であれば法人代表者、個人事業主であれば事業主本人の名義で取得します。総務担当者や経理担当者が自分の名義で取ることはできません。

審査があるため即日では発行されません。申請方法は2つあり、必要なものと期間が変わります。

  • オンライン申請:代表者本人のマイナンバーカードとスマートフォンを使う。書類申請より短期間で済む
  • 書類申請:印鑑証明書と登録印を押した申請書を郵送する。審査と郵送の往復で時間がかかる

どちらを選ぶかで所要期間が大きく変わるため、締切から逆算して決めてください。詳しい手順はGビズIDのオンライン申請のやり方GビズIDプライムの必要書類チェックリストで解説しています。

メンバー:従業員に作業させるためのアカウント

メンバーは、プライムアカウントの管理者が従業員用に発行するアカウントです。代表者本人が申請作業をすべて行うのは現実的ではないため、実務ではこのメンバーを使います。

ここで見落とされやすいのが、メンバーを発行しただけでは補助金システムを使えないという点です。プライムの管理者が、そのメンバーに対して「どの行政サービスを使ってよいか」を個別に許可する必要があります。この許可が漏れていると、メンバーでログインしても対象のシステムに入れません。

エントリー:審査なしで即時発行、ただし用途は限られる

エントリーは、オンラインで入力するだけで審査なく即時発行されます。手軽な反面、利用できる行政サービスが限られており、補助金の電子申請には対応していないものがほとんどです。

「とりあえず今日中にIDが要る」という理由でエントリーを取っても、補助金申請には使えません。申請の準備に入る段階なら、最初からプライムを取りにいくべきです。

製造業が実際に選ぶときの判断

補助金申請を前提にすると、選択はほぼ次のように決まります。

  1. 代表者名義でプライムを取得する(必須。ここから始まる)
  2. 申請作業を担当者に任せるなら、プライムからメンバーを発行する
  3. 発行したメンバーに、対象の補助金システムの利用を許可する
  4. エントリーは補助金申請では基本的に使わない

中小の製造業では、代表者が現場に出ていて事務作業の時間が取りにくいことが多く、2と3をセットで済ませておくと申請作業が回りやすくなります。逆に、代表者のIDとパスワードを担当者に共有して使い回すのは避けてください。メンバーの仕組みがあるのは、この共有を防ぐためです。

取り違えると起きること

誤り起きること
担当者の個人名義でプライムを取ろうとした法人代表者でないため取得できない
エントリーで申請を始めた申請画面に進めず、プライムを取り直すことになる
メンバーを発行したが権限を付けていないログインはできるが対象システムを利用できない
代表者交代後もIDをそのままにした名義と実態がずれ、後の手続きで差し戻される

代表者の交代や商号変更があった場合の扱いは、GビズIDが取れない・使えない時の対処法にまとめています。

取得にかかる時間を締切から逆算する

補助金申請でつまずく最大の原因は、GビズIDの取得期間を見込んでいないことです。プライムには審査があるため、公募要領を読んでから慌てて取りにいくと間に合いません。

  • 公募開始の情報をつかんだ時点で、プライムの取得に着手する
  • オンライン申請が可能なら、代表者のマイナンバーカードの有効期限と暗証番号を先に確認しておく
  • 書類申請になる場合は、印鑑証明書の取得と郵送の往復日数を見込む
  • プライムが発行できたら、担当者用のメンバー発行と権限付与まで済ませておく

申請全体のスケジュールの立て方は補助金申請の事前準備とスケジュール管理を参照してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 補助金の申請にはどの種類のGビズIDが必要ですか?

原則としてGビズIDプライムが必要です。多くの補助金の電子申請システムはプライムまたはプライムから権限を付与されたメンバーでないと申請画面に進めません。エントリーでは対応していない補助金がほとんどです。

Q. GビズIDエントリーで申請を始めてしまいました。どうなりますか?

補助金がプライムを要件としている場合、エントリーのままでは申請を完了できません。あらためてプライムを取得する必要があり、審査期間の分だけ着手が遅れます。公募締切が近い場合は特に注意してください。

Q. 従業員に申請作業をさせたい場合はどうすればよいですか?

プライムアカウントの管理者がメンバーアカウントを発行し、そのメンバーに対象の行政サービスの利用を許可します。許可を出していないと、メンバーでログインしても該当システムを利用できません。

Q. GビズIDプライムは誰の名義で取得しますか?

法人の場合は法人代表者、個人事業主の場合は事業主本人です。総務担当者や経理担当者の個人名義では取得できません。担当者に作業させたい場合は、代表者名義のプライムからメンバーを発行します。

まとめ

GビズIDの3種類は、グレードの違いではなく役割の違いです。補助金の電子申請ではプライムが前提であり、エントリーでは申請画面に進めないことがほとんどです。実務では代表者名義でプライムを取得し、そこから担当者用のメンバーを発行して、対象システムの利用を許可するところまでをセットで行います。

最も避けたいのは、締切間際にエントリーでは使えないと気づくことです。プライムには審査期間があるため、公募情報をつかんだ時点で取得に着手してください。

参考情報