GビズIDメンバーの作り方と権限の付け方【従業員に申請作業を任せる手順】

GビズIDメンバーの作り方と権限の付け方【従業員に申請作業を任せる手順】

この記事からわかること

  • 担当者に申請作業を任せるなら、代表者のIDを共有せずGビズIDメンバーを作成する
  • メンバーはプライム(または管理者権限を持つメンバー)がマイページから作成し、人数の上限はない
  • 作成しただけでは使えず、使う行政サービスを個別に許可する必要がある
  • デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)など、メンバーでは使えずプライムが必要なシステムもある
  • メンバーにも有効期限があり、プライムが期限切れになるとメンバーも使えなくなる

補助金の申請作業を、代表者がすべて自分で行うのは現実的ではありません。実際には総務や経理の担当者が書類をそろえ、申請システムへの入力を進めることがほとんどです。

そのときに使うのがGビズIDメンバーです。代表者のIDとパスワードを担当者に教えて使い回すのではなく、担当者ごとにメンバーのアカウントを作り、必要なシステムだけを使えるようにします。

本記事では、メンバーの作成から権限の付け方、担当者が代わるときの対応までを手順に沿って整理します。

メンバーを使う理由

代表者のGビズIDプライムを担当者と共有すると、次のような問題が起きます。

  • 二段階認証が代表者のスマートフォンに届くため、ログインのたびに代表者の手を止める
  • 誰がいつ何を操作したのかが区別できない
  • 担当者が退職しても、代表者のパスワードを知っている状態が残る

メンバーを使えば、担当者は自分のアカウントで自分のスマートフォンを使って認証でき、使えるシステムもプライム側で絞れます。GビズIDの3種類の役割はプライム・メンバー・エントリーの違いと使い分けで解説しています。

メンバーを作成できる人と上限

メンバーを作成できるのは次の人です。

  • GビズIDプライムのアカウント名義人(法人代表者または個人事業主本人)
  • 管理者権限を与えられたGビズIDメンバー

担当者本人が自分でメンバーを作ることはできません。 最初の1人は代表者が作成し、その担当者に管理者権限を与えておけば、以後の担当者追加は総務担当が行うこともできます。

公式のよくある質問では、メンバーの作成数に現時点で上限はないとされています。

事前に準備するもの

作成する担当者ごとに、次の情報をそろえておきます。

準備するもの注意点
担当者のメールアドレスこれがアカウントIDになる。個人のアドレスより、会社で管理しているアドレスが望ましい
担当者の氏名・フリガナ・生年月日など画面の入力項目に従って用意する
担当者のスマートフォンまたは携帯電話SMSを受信できる端末がないとメンバーは作成できない

メンバーのログインには、GビズIDアプリによる認証、またはメールのワンタイムパスワードによる認証が必要です。担当者が会社支給のスマートフォンを持っているなら、それを使うと異動や退職のときに引き継ぎやすくなります。

メンバーの作成手順

作成は、代表者(または管理者権限を持つメンバー)がマイページから行います。

  1. GビズIDのマイページにプライムでログインする
  2. メニューから「GビズIDメンバー管理」を開く
  3. 「GビズIDメンバー新規申請」を選ぶ
  4. 担当者のメールアドレス・氏名などを入力して申請する
  5. 担当者のメールアドレスに通知が届く
  6. 担当者がメール内のURLからパスワードを設定する
  7. 担当者が自分のスマートフォンで認証の設定を行う

すでにGビズIDエントリーを持っている担当者の場合は、新規作成ではなく、そのエントリーをメンバーに切り替える方法もあります。

画面の名称や配置は変更されることがあるため、実際の操作はGビズID公式サイトの「GビズIDクイックマニュアル GビズIDメンバー編」で確認してください。

行政サービスの利用を許可する

ここが一番の落とし穴です。メンバーは作成しただけでは、補助金の申請システムを使えません。 どのシステムを使ってよいかを、プライム側で個別に許可する必要があります。

  1. プライム(または管理者権限を持つメンバー)でマイページにログインする
  2. メニューから「GビズIDメンバー確認」を開く
  3. 対象のメンバーを選ぶ
  4. 「利用可能なサービスを許可する」画面で、使わせたいサービスにチェックを入れる
  5. 保存する
  6. 担当者側で一度ログアウトし、あらためてログインする

許可できるのは、その事業者に設定されている行政サービスの範囲内です。

この許可が漏れていると、担当者がシステムにログインしたときに「本システムを利用可能なGビズIDのメンバーアカウントはありません」と表示されます。表示されたときの切り分けはこのエラーの意味と対処法にまとめています。

メンバーでは使えないシステムもある

注意したいのは、すべての補助金システムがメンバーに対応しているわけではない点です。GビズIDの行政サービス一覧を見ると、対応状況は次のように分かれています。

システムプライムメンバー
jGrants(Jグランツ)○○
小規模事業者持続化補助金○○
事業継続力強化計画○○
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)○×
中小企業省力化投資補助事業○×

※GビズID公式サイトの行政サービス一覧をもとに作成。対応状況は変わることがあるため、申請前に行政サービス一覧で確認してください。

プライムのみ対応のシステムでは、担当者のメンバーでは申請できません。代表者のプライムでログインして操作する必要があるので、代表者が申請作業の時間を確保できるかを事前に確認しておきます。デジタル化・AI導入補助金の場合は、IT導入支援事業者とのやり取りを担当者が進め、最後の申請操作だけ代表者が行う、という分担がよく見られます。

管理者権限を与えるかどうか

メンバーには管理者権限を与えることができます。管理者権限を持つメンバーは、ほかのメンバーの作成や権限の許可を行えます。

管理者権限を与える与えない
担当者の追加・入れ替えを代表者の手を借りずに進められる担当者の追加のたびに代表者の操作が必要
権限を持つ人が増えるほど、誰が何を許可したか管理しにくい権限の管理が代表者に集約される

従業員数の少ない製造業では、総務・経理の責任者1人にだけ管理者権限を与えるのが扱いやすい形です。

担当者が代わるとき・退職するとき

担当者の異動や退職は、補助金の手続きが途中で止まる典型的な原因です。

  1. 後任のメンバーを先に作成し、利用を許可する
  2. 後任がログインできることを確認する
  3. 申請中の補助金の通知先メールアドレスを後任に切り替える(jGrantsの場合は追加通知先の設定を確認)
  4. 退職者のメンバーを削除するか、利用を許可したサービスを外す

3を忘れると、差し戻しや交付決定の通知が退職者のメールボックスに届いたままになります。通知の管理はjGrantsマイページの見方と申請状況の確認方法で解説しています。

メンバーにも有効期限がある

2026年7月9日から、GビズIDメンバーにもプライムと同じく2年3か月の有効期限があります。さらに、プライムの期限が切れると、ひもづくメンバーも同じように使えなくなります。担当者が申請作業を進めていても、代表者のプライムの更新を忘れると作業が止まります。

期限の確認と更新の方法はGビズIDの有効期限と更新手続きにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q. GビズIDメンバーは誰が作成できますか?

GビズIDプライムのアカウント名義人(法人代表者・個人事業主本人)と、管理者権限を与えられたGビズIDメンバーが作成できます。担当者本人が自分で作ることはできません。

Q. メンバーは何人まで作れますか?

公式のよくある質問では、現時点で上限はないとされています。申請作業に関わる担当者ごとに1つずつ作成してください。

Q. メンバーを作ったのに補助金システムに入れません。

使いたい行政サービスの利用を許可していない可能性があります。プライム側でメンバー一覧から対象者を選び、利用を許可するサービスにチェックを入れてください。そもそもメンバーに対応していないシステムもあるので、対象システムの対応状況も確認してください。

Q. メンバーでも補助金の申請はできますか?

システムによって異なります。jGrants(Jグランツ)はメンバーでも利用できますが、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や中小企業省力化投資補助金の申請システムのようにプライムのみ対応のものもあります。公募要領と各システムの案内で確認してください。

Q. 担当者が退職したらどうすればよいですか?

退職前に後任のメンバーを作成して権限を許可し、退職者のメンバーは利用を停止します。申請中の補助金があれば、jGrantsの通知先メールアドレスも後任に切り替えてください。

まとめ

補助金の申請作業を担当者に任せるなら、代表者のIDを共有するのではなく、GビズIDメンバーを担当者ごとに作成します。作成はプライムのマイページから行い、作成後に使う行政サービスを個別に許可するところまでがセットです。

ただし、デジタル化・AI導入補助金のようにプライムでしか使えないシステムもあるため、代表者の操作が必要な場面は残ります。担当者の交代時には後任の作成と通知先の切り替えを先に済ませ、プライム・メンバーとも有効期限の管理を忘れないようにしてください。

参考情報

次にやること

GビズIDを用意できたら、申請する制度の公募要領で必要なアカウントと申請先を確認しましょう。